2026-09-14
輪郭手術後の感覚低下、神経が損傷したのでしょうか?
輪郭手術後の感覚低下やよだれは、神経への過度な牽引や腫れによる一時的な機能低下であることが多く、直接的な損傷がなければ自然に回復します。下歯槽神経や顔面神経の保護ポイントを解説。

こんにちは。345整形外科です。
輪郭手術について調べていると、一度は
「神経損傷」という話を耳にするかと思います。
特に下顎の骨周辺には
感覚を司る神経が通っているため、
手術後に感覚が鈍くなるのではないか、
あるいはその変化がずっと残ってしまうのではないかと
心配される方が多くいらっしゃいます。
本日は、輪郭手術の際に
注意すべき神経とは何か、
術後に現れることのある感覚低下や
よだれ(唾液の流出)は神経とどのような関係があるのか
詳しく解説いたします。

Q. 輪郭手術で神経を傷つけることはありますか?

下顎骨の内側には、下歯槽神経という
神経が通っています。
下歯槽神経は脳底から始まり、
下顎の内側へと入った後、
顎骨の内部を通って
前方の孔(オトガイ孔)から外側へと出てきます。
神経は大きく、感覚を司る感覚神経と、
筋肉の動きを司る運動神経、
そして両方の機能が混ざった神経に
分けることができます。

このうち下歯槽神経は、
感覚を司る神経です。
そのため、下歯槽神経に問題が生じると、
損傷した位置や範囲に応じて同側の
歯や歯肉、唇の周囲などの
感覚が鈍くなることがあります。

特に、どの位置で神経が
影響を受けたかによっても
感覚変化の範囲が異なります。
神経が顎骨の内側で影響を受けた場合は、
歯や歯肉から唇まで
比較的広い範囲の感覚に影響を及ぼす可能性があり、
顎骨から外へ出た後の位置で
影響を受けた場合は、主に唇周辺の感覚が
低下することがあります。
そのため、顎の手術を行うにあたって
最も慎重に確認し保護しなければならない
神経の一つが、まさにこの下歯槽神経です。
Q. 感覚神経のほかに
注意すべき神経はありますか?

感覚を司る下歯槽神経だけでなく、
運動を司る顔面神経にも注意が必要です。
顔面神経は、顔の表情を作る
様々な筋肉の動きを司っています。
耳の後方から出て、耳下腺と呼ばれる
唾液腺の部位を通りながら複数の枝に分かれます。

顎の手術の際、特に注意すべき部分の一つが
下顎縁枝(Marginal mandibular branch)
と呼ばれる枝です。
この神経は口角を下げる筋肉の動きに
関与しているため、影響を受けた場合、
該当する筋肉の動きが鈍くなることがあります。
これにより、笑ったり表情を作ったりする際に
唇や口角が一時的に非対称に見える
場合があります。

口腔内からの手術プロセスにおいて、
切開位置が適切でなかったり、
手術器具が過度に深く進入したりした場合、
顔面神経のより大きな枝に影響が及ぶ
可能性も理論上は存在します。
ただし、このようなケースは実際には極めて稀です。
Q. 術後に感覚が低下した場合、
神経が損傷したのでしょうか?

術後すぐに感覚が鈍くなったからといって、
必ずしも神経が損傷したとは言えません。
神経は非常に繊細な組織であるため、
手術中に直接的な損傷がなくても、
周囲の組織を剥離したり神経を確認したりする
過程でわずかに引っ張られるだけで、
一時的に機能が低下することがあります。
実際、手術中に神経を保護するためには、
神経の位置を正確に確認し、
神経を避けて手術を進めた後、
手術を終える前にもう一度
神経の状態を確認します。

このように神経を直接確認し
保護するプロセスにおいても、神経がある程度
牽引されることがあるため、術直後は
感覚が鈍く感じられることがあります。
しかし、神経自体に直接的な損傷がなければ、
このような一時的な感覚低下は時間の経過とともに
徐々に回復していくケースがほとんどです。
したがって、術後に感覚が落ちたという理由だけで、
すぐに神経損傷を意味すると
心配しすぎる必要はありません。
Q. 輪郭手術後によだれが出るのも
神経と関係がありますか?

輪郭手術後、知らず知らずのうちに唾液や
水がこぼれてしまう症状を経験し、
不安に思われる方もいらっしゃいます。
このように唾液や水分がこぼれ出る現象を
ドローリング(Drooling)といいます。
私たちが普段よだれや水分をこぼさずにいられるのには、
大きく分けて2つの機能が作用しています。

1つ目は、唇の周囲の筋肉に力を入れて
口をしっかり閉じ、口内のものが外に
出ないようにする機能です。
2つ目は、唇の周囲に唾液や水分が
流れ出し始めたことを感覚で察知し、
再び口の中へと吸い戻して
唇に力を入れて防ぐ機能です。

しかし感覚が低下していると、唇の周囲に
唾液や水分が少しずつこぼれ出ている感覚を
適切に感知できないことがあります。
反対に、唇周囲の筋肉の動きを
司る顔面神経の枝が影響を受け、
唇を閉じる力が十分に入らない
場合にも、唾液がこぼれてしまうことがあります。
つまり、輪郭手術後に見られるよだれの流出は、
感覚神経の一時的な機能低下、
または運動神経に関連する変化の
いずれにも関係している可能性があります。
Q. 輪郭手術で神経損傷を
最小限に抑えるにはどうすればよいですか?

神経損傷を予防することは、
輪郭手術において非常に重要な要素です。
まず、顎骨の内部を通る神経に関しては、
術前に神経が骨の中のどの位置を通っているかを
十分に把握するプロセスが必要です。
これをもとに、実際に骨を切除する範囲と
方向を綿密に計画し、神経の走行位置を
侵さないよう手術計画を立てます。

神経が顎骨の外へ出た後の領域では、
手術中に神経が過度に引っ張られたり、
手術器具による影響を受けたりしないよう
細心の注意を払う必要があります。
そのため、術中に神経が
どこにあるのかを目視で確認し、
その神経を避けて手術を進め、
終了する直前まで神経に異常がないかを
繰り返し確認するプロセスが重要となります。
輪郭手術の直後は、神経の牽引や
周囲組織の腫れ(浮腫)によって
一時的に感覚が低下することがあります。
神経に直接的な損傷がなければ、
時間の経過とともに次第に回復していきますので、
十分に経過を見守ることが大切です。
輪郭手術に関してさらに気になる点がございましたら、
345整形外科までお気軽にお問い合わせください💙
ありがとうございます😉



よくある質問
輪郭手術後の感覚低下は神経が損傷したということですか?
必ずしも神経損傷を意味するわけではありません。神経は非常に繊細なため、直接的な損傷がなくても手術中の組織剥離や神経保護に伴う牽引刺激だけで一時的に機能が落ちることがあります。神経自体に損傷がなければ時間の経過とともに徐々に回復します。
顎の輪郭手術で最も注意すべき感覚神経は何ですか?
下顎骨の内部を通る下歯槽神経です。下歯槽神経は感覚を司る神経であり、万が一損傷すると該当部位の歯や歯茎、唇周囲の感覚が低下する可能性があるため、手術時に正確な位置を把握して保護することが極めて重要です。
輪郭手術後に表情が非対称に見えることはありますか?
はい、一時的に非対称が現れることがあります。表情筋の運動を司る顔面神経の枝(下顎縁枝)が影響を受けると、口角を下げる筋肉の動きが鈍くなり、笑ったり表情を作ったりした際に非対称に見える場合があります。
輪郭手術後によだれや水がこぼれる理由は何ですか?
感覚低下または唇の筋肉の動きの変化が原因です。唇周辺の感覚が鈍くなって唾液が流れるのを感知できなかったり、唇を閉じる筋肉に十分な力が入らなかったりすることでドローリング症状が生じることがありますが、ほとんどは一時的です。
輪郭手術で神経損傷を抑えるにはどのような対策が取られますか?
術前の精密診断と術中の目視確認が不可欠です。術前に神経の走行経路を把握して神経を侵さない骨切り計画を立て、手術中も神経を直接目で確認しながら過度な牽引が加わらないよう慎重に保護します。